
高濃度乳腺とは
マンモグラフィーを撮影すると乳腺の見え方は人それぞれで、以下のように
黒く映る方(低濃度)から白く映る方(高濃度)がいます

高濃度に映る原因としては乳腺組織が発達している、皮下脂肪が少ないなどがあり
全体的には高齢者よりは若年者に多く、欧米の方よりアジアの人に多いとされます
日本人では40代でも60%くらいの方が高濃度との報告があります
参考: 厚生労働行政推進調査事業費 補助金 がん対策推進総合研究事業 乳がん検診の適切な情報提供に関する研究 https://brestcs.org/study/achievement/

高濃度乳腺の問題点
マンモグラフィーの目的は乳癌を疑う病変があるか発見することにあります
腫瘤はマンモグラフィー上白く映ることが多く、高濃度乳腺の場合は腫瘤が乳腺組織に隠れてしまい、発見しづらい可能性があります

その結果、マンモグラフィーで「異常なし」でも実際には腫瘤が存在することがあります。これが若い方にマンモグラフィーが若い方に向いていない理由の一つです
また、高濃度乳腺の方のほうが乳癌を発症するリスクが高いことが言われてます
実際そのリスクの大きさはわずかですが、注意が必要です

高濃度乳腺の対応
高濃度乳の方はマンモグラフィーだけでは不安があります
そこで何か検査を追加し、高濃度による発見の遅れを補う必要があります。
当院では超音波検査(エコー)を追加することを勧めています
- 超音波検査は断面で腫瘤を探しますので乳腺組織が厚くて高濃度になってしまう方もきちんと検査できます。
- また超音波検査はレントゲン被曝がなく、(ちょっとヌルヌルしますが、)痛みなどもなく検査ができます
- 腹部の超音波検査と異なり、食事を止めるなどの準備がなく検査できます
- MRIやPEMなどに比べ費用もやすく済みます
- 高濃度乳腺に超音波検査などを追加することで死亡率の減少は今の段階で認めておりませんが、乳癌の発見は増加します
