乳癌のリスクについて(2)

家族歴以外の乳がんのリスクについて

②女性ホルモンの影響

乳癌は女性ホルモンの影響を受けることが多いです。(何らかの理由で通常より早期に閉経状態になるとその後の乳癌発症のリスクが減ります)

月経が多いと乳癌のリスクになります。

  • 初経が早い(月経のある期間が長くなります)
  • 閉経が遅い人(月経のある期間が長くなります)
  • 出産経験のない人(出産すると月経が10カ月以上おやすみになります)

などです。

これは個人差があり、自分の力で変えられるものではありませんので、気になる方は市の検診などきちんと受けましょう。また早すぎる閉経は骨粗鬆症などの心配もあり、一概にどちらがよいとも言えません。なお、これらのリスクは家族歴に比べるとわずかです。

③肥満

肥満の方のほうが乳癌になりやすいです。脂肪細胞が女性ホルモン産生に関係しますので(あまりに痩せると月経がとまることの反対です)間接的に②の女性ホルモンに影響すること。昔に比べ栄養状態がよくなり、体重が増えることで、初経が早くなることなどが原因として考えられます。

④アルコール

アルコールの摂取量が多い方のほうが乳癌になりやすいことがわかっております。アルコール摂取により③の肥満に関係する可能性が考えられますが、アルコール自体が乳癌の発症に関係することも否定できません。

⑤ほかにも乳腺の良性腫瘤やマンモグラフィーでの高濃度乳腺などがリスクとされることがあります。

良性腫瘤や高濃度乳腺によって乳癌になるのか、経過観察で定期的に通院、検査をするため、結果として乳癌が発見されるのかどちらも考えられます。

以上のように癌のリスクにはさまざまなものがあり、自分の力で改善できるものと、改善しようがないものがあります。

乳癌に関しては肥満の改善とアルコールを減らす以外のリスクはなかなか改善が難しく、乳癌にならない努力よりもなった時に早めに見つけることが重要です